なぜ mineness.me なのか — 所有感研究のブログを始めます

このブログのドメイン名は mineness.me。「マインネス・ドット・ミー」と読みます。初めて見る単語かもしれませんが、これは造語ではなく、意識研究や現象学で実際に使われている学術用語です。

mineness — 「この体験は、ほかの誰のものでもなく、私のものである」という感覚。

たとえば今、あなたがこの文章を読んでいる体験は、疑いようもなく「あなたの」体験です。誰かに教わったわけでも、意識して所有権を主張したわけでもないのに、体験には最初から「私のもの」というラベルが貼られている。あまりに当たり前すぎて、普段は気づくことすらありません。

ところが、この当たり前が揺らぐ瞬間があります。

そのひとつが、フロー状態 — いわゆる「ゾーン」です。スポーツ選手や音楽家、あるいは何かに深く没頭した人が語る、あの状態。「自分が消えた」「気づいたら終わっていた」「体が勝手に動いていた」。フローの中では、自己意識が薄れ、「私がやっている」という感覚も、「これは私の体験だ」という感覚も、普段とは違う姿を見せます。

普段は見えないものは、揺らいだときにこそ観察できる。フロー状態は、体験が「私のもの」になる過程 — 通常は完全に隠れているプロセス — を垣間見せてくれる窓なのではないか。これが、私の研究の出発点です。

このブログでやること

私は意識・所有感・主体性を研究している独立研究者です。このたび Cohere Labs の Catalyst Grant に採択され、フロー状態と所有感の関係を探る研究プロジェクトを本格的に始動しました。

このブログは、その研究過程をリアルタイムで公開する研究ノートです。研究の進捗を記録する作業日誌、読んだ論文をまとめる文献ノート、分析手法を公開するプロトコル、節目ごとの研究報告を掲載していきます。

完成した論文だけでなく、途中の試行錯誤 — 仮説がうまくいかなかったこと、文献を読んで考えが変わったこと、AIを研究にどう使い、どこで使わなかったか — も含めて記録していきます。オープンサイエンスとは、結果だけでなく過程を公開することだと考えているからです。

ドメイン名に込めたもの

mineness.me を英語として読むと「私という存在のマインネス(the mineness of me)」。研究テーマそのものです。

そして運営者の屋号は No Existe Research — スペイン語で「存在しない」。存在しない研究所から、「私のもの」という感覚の正体を探る。少し逆説めいたこの組み合わせを、私は気に入っています。フローの中で「私」が消えたとき、体験は誰のものになるのか。その問いを、ここでゆっくり掘り下げていきます。

半年後、このブログにはプレプリントと公開プロトコルへのリンクが並んでいる予定です。よければ時々のぞきに来てください。

本研究は Cohere Labs Catalyst Grant の支援を受けています。

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